【ようこそ魔美化界に】

私のファーストキスは初めて恋した人って決めてたのにっ!

るなこはまだ恋をしたことがない。

心臓がキューとなる。
些細なことさえ、些細でなくなる。

友達たちからはそう聞いていた。


るなこはそんな気持ちに今までなったことはない。

だから決めていた。
ファーストキスはそんな気持ちをるなこにプレゼントしてくれた人にする、と。


…なのに!それなのに!
これは、人生最大の失敗だ…

「おいっ!聞いてんのかよ?」

絶望してたところに、
ふいに声がした。

もしかして私に話しかけてるの?



「あー!さっきのっ」


振り返るとさっき、確かに私にキスをして来た耳の生えた奴だった。


「…悪かったな。」


「な!人のファーストキス奪っといて
それで済むか⁉」


「言っとくけど、
こっちは助けてやったんだぞ!」

「はぁー⁉意味わかんない」


人の承諾なしにキスして
助けてやっただぁ?

こいつ、モラルないの⁉


「あんた、人間だろ?」

「ええ、そりゃあまぁ。
ってそれとこれと何か関係あるわけ?」