いっぱい話を聞いてくれた。 買い物にも付き合ってくれた。 泣いた私を抱き締めてくれた。 なんで……? 幼なじみ以上には見てくれなかったくせに……なんでなの……? 「美和?」 私は冬馬兄ちゃんが好きなのに。 ずっと大好きだったのに。 なんで、私じゃないの? なんで麻実ちゃんなの……? 私、ずっと冬馬兄ちゃんのこと好きなのに……。 「ごめん」 直後、私は冬馬兄ちゃんに抱き寄せられ、そして……。 「――ッ」 唇を奪われていた。 .