……有り得ない。 今までこんなこと無かった。 幼なじみだし、じゃれたりとかはあるけど……。 真剣な話をしてる時に抱き締められるなんて、 今まで無かった。 冬馬兄ちゃん……どうして抱き締めたの? なんで? ……同情?それだけ? 「あの、ご飯ごちそうさま」 冬馬兄ちゃんの顔を見ることなく私は家を飛び出した。 「……無理してんのは俺の方か」 そんな呟きを、私は知らないで過ごしていく。 .