「無理はすんな?」 冬馬兄ちゃんの声。 私……今、抱き締められてる……? 「あ、あの……大丈夫だから……」 頭がぼーっとする。 冬馬兄ちゃんが、笑ってる。 「そっか」 スルッとほどけた腕、笑う冬馬兄ちゃん。 私は恥ずかしくて顔が真っ赤になっていた。 冬馬兄ちゃんを見ることが出来なくて、背中を向けたままソファに座っている。 なんで抱き締めたの……?どうして……? 「あの……そろそろ、帰るね」 ただそれしか言えなかった。