泣きじゃくる私の頭にぽん、と手を置いて、髪の毛をくしゃくしゃにする。 大きな手。 温かくて大好きな手。 「帰ろっか」 ドアを開けて助手席に座るよう促す。 涙を拭いながら席に座り、シートベルトを着ける。 運転席に戻ったお兄ちゃんはいつもと同じように笑って、エンジンをかける。 なんでだろう。凄く落ち着く。 お兄ちゃんはいつも優しい。 子供扱いされてばかりだけど、でもいつも私を見ててくれた。 大事にしてくれた。 お兄ちゃん……やっぱりお兄ちゃん、大好き……。