困ったような顔の良明くん。
私は黙ったまま良明くんの言葉を待った。
「えっと……アレはね、従姉妹、なんだ」
イトコ??
ほんと?
ウソ?
目が泳いでる。
何かをごまかそうと必死になってる。
そんな感じに見えた。
経験が少ない私にもわかる、動揺。
「良明まだぁ?」
「ちょっと待ってろって!」
女性に声を荒げ、私の方に向き直った良明くん。
「……明日、学校で話そう?ここじゃなんだから」
「……うん」
その方がいい。私はそう思った。
学校ならあの女性は居ない。冬馬兄ちゃんも居ない。
二人で話した方がいい。
「同じ学校の子?私ミキ。
良明の、か・の・じょ」
「ミキ!!」
クスクスと意地悪そうに笑う女性、ミキさん。
それを見て動揺している良明くん。
ヤだ。
何これ。
なんなのよ――。
「喫茶店でも入る?そこで話せば?」
冬馬兄ちゃん……。
お願い、
ヤメテ……。
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