携帯を取り出し、何度も電話をかける良明くん。
数分の間それは続いた。
「……アイコ?今どこ?」
電話が繋がった。
私たちは近所のことを考え公園に移動してきていた。
「なんで急にっ……俺が居るって言っただろ!?」
良明くんは言葉を続ける。
次第に声は小さくなり、良明くんはただ「あぁ」とか「うん」しか言わなくなった。
少し寂しそうな顔が夕日を浴びている。
「じゃあ、元気で」
その言葉と共に携帯を閉じる。
「学校辞めるって。
なんか、どっか外国に行くらしい。
親の都合って言ってたけど」
私は返事に困り、ただ「うん」としか言えなかった。