いきなり「付き合って」と言われて「はい、わかりました」なんて言えない、よね。


良明くんのことまだ何も知らないし。


まぁ、知ったからといって付き合うとは限らないけど。



「誰か好きな人居るの?
例えば……朝学校まで送ってくれるお兄さんとか」

「え?」


「ありゃ、図星?俺さ、けっこー美和ちゃんのこと見てるんだ。
てか、自然に目で追っちゃってる」

……凄い。

私は全然良明くんのこと知らないのに、良明くんは色々知ってる。

ストーカー……と言おうとしたその前に、良明くんに言われる。


「あーストーカーとか言うなよ?好きな人を見ていたいってのは、誰だってそうだろ?」


私は言葉を飲み込み、小さく頷いた。

良明くんの言う通り、好きな人のことはいつも目で追ってしまう。

それは多分、恋してる人なら自然なこと。


良明くんは私のこと、好きでいてくれてるんだ。

なんでかな、凄く嬉しい。

なんだろう……胸の奥が熱くなる感じ。


これって、まさか……。