「先輩は隣の部屋。安心して」 良明くんが言い、そのまま隣の部屋へ入っていった。 「少し、話してくるから」 その顔はいつもと同じで、私は少しだけほっとした。 「美和、髪……切ってやろうか?」 「え?あっ」 そういえば髪、切られちゃったんだ。 どこから持ってきたのか、冬馬兄ちゃんは透きバサミを手にしている。 「ちゃんとしてやるから」 冬馬兄ちゃんに言われるがまま、私は床に座った。