――……。


しまった。


「いきなり見失ったぁ!!」


麻実ちゃんたち歩くの速い。

せっかく二人良い感じだったのにぃ……。


「美和、そんなに麻実たちが気になる?」

「そりゃあ……大切な友達だし」


二人がどこ行ったのか知りたいし、この先どうなるかも知りたいし……。


「隣に俺が居るんだから、俺を見とけば?」


冬馬兄ちゃんが笑う。


そんなことを言われて私の顔はどんどん赤くなって、目を逸らせてしまった。



「せっかくの休みだし、俺たちは俺たちで楽しもうよ?
もうそうゆう関係だろ?」


そっか……私と冬馬兄ちゃん、付き合い始めたんだ。


せっかくの二人きりだもんね……楽しまなきゃ。


「ごめんねお兄ちゃん。行こっか!」


頷く冬馬兄ちゃんと手を繋ぎ、私たちも歩き始める。