良明くんは明るい声で言う。

「だって好きなんだもん。傍に居たいって思うのは当然でしょ?」


恥ずかしげもなくよく言えるなぁ……なんて思う。

私は「好き」って伝えるの凄く大変だったのに。

「フラれたのにしつこいねぇ。
そうゆう男は嫌われるよ?」

……麻実ちゃんも凄い。

そんなセリフ私は出てこない。

思ったことをそのまま言うんだろうなぁ、なんて見てしまう。


「なんだよ、お前には関係ないだろー」

「お前って何よ?苗字で呼びな!
私はあんたの奴隷かい?」

「おま、俺のこと呼び捨てのくせになんだよ!!」


ギャーギャー騒ぐ二人。
クラスの子たちも呆れた様子だ。


……いつもこんな感じでやり取りしてたのかなぁ?

二人には悪いけど、なんか見てて楽しいかも。


「あーもうチャイム鳴る!美和ちゃんまた後でね!!」

「あ、うんまた」


手を振り、良明くんを見送る。



「絶対次の休み時間にも来るよ?」

疲れたように言う麻実ちゃん。

そりゃあれだけ話せば疲れるか。


「私は良明くん、楽しくて好きだなぁ」

麻実ちゃんはなぜか呆れ顔だ。