「……フッて悪かった。 もっとちゃんと話し合うべきだったな」 冬馬兄ちゃんは私を抱き締めながら言う。 私は笑いながら「冬馬兄ちゃんのせいだ」なんて言ってみる。 冬馬兄ちゃんは困ったような顔したけれど、でも言う。 「だから……責任取らせて?」 優しい瞳(め)、甘えたような口調。 冬馬兄ちゃんを初めて「可愛い」と思った瞬間だった。 「ほんとは美和がハタチになるまで待つつもりだったんだけどなぁ」 苦笑する冬馬兄ちゃんを見つめ、私はそっとキスをした。 「私はもう大人だから」