静かにドアを開けると、良明くんに抱き付く美和の姿が見えた。 まだ良明くんと付き合ってると思ってるんだ。 わかっているけど胸が痛む。 それは多分、美和のことが好きだから……。 「冬馬さん、美和は……記憶が戻るんだよね? その時私……どう接すればいいか……」 「……」 わからない。 俺も上手く話せるかわからない。 「俺と麻実の関係を覚えていようがいないが、俺からちゃんと話すから。 麻実は前と同じようにしてればいい」 そうとしか言えない。 俺には他の答えなんか見つからなかった。