麻実ちゃんと冬馬兄ちゃんはそのまま部屋を出て行った。 そのすぐ後、良明くんが部屋に入ってきて笑顔を見せる。 「大丈夫?」 そんな良明くんに私は抱き付き、言う。 「傷は大丈夫。 でも……コワイ……。 私、良明くんと付き合ってるんだよね……?」 記憶が無いと言われたけれど、私は記憶を持っている。 良明くんと付き合ってる。 付き合い始めたばかりなのに……。 ……気持ち悪い。 私は記憶を持っているのに、みんなは私の知らない記憶を持っている。 何かが変。 やっぱり私……記憶が無いの……?