「もう美和ちゃんの泣いた顔なんて見たくないんだよ」 良明くんは、ずっと私から目を離さない。 だから私も目を離さず頷いた。 「冬馬兄ちゃんに、聞いてみる」 聞きたくない。でも聞かなくちゃいけない。 良明くんとミキさんのことも、しっかりと聞いた。 だから今度も、冬馬兄ちゃんたちのことを聞かなくちゃいけない。 「行こう、冬馬さんの家に。 俺も行くから」 「……うん」 私たちは歩き出す。 手を繋ぎながら。