丘の上の公園。 良明くんと会う約束をした場所。 待ち合わせの時間まではまだある。 でも家に居たくなかった。 良明くんはまだ来ていない。 街が一望出来るこの場所はデートスポットになっている。 周りには2、3組のカップル。 みんな夕焼けを見つめている。 「美和ちゃん」 肩を叩かれ振り返る。 そこには、息を切らした良明くんが居た。 「ごめんね、急に。大丈夫?」 「ん、大丈夫。どうかしたの?とりあえずベンチ座ろっか」 周りと少し距離のあるところのベンチに座る。 「で……何かあったの?」 .