もう送ってもらうのをやめる。 そうすれば無理にお金使わせちゃうこともない。 「別に、冬馬さんに送ってもらえばいいのに」 「やだ。お金使わせたくないもん」 「ふぅん、まぁ好きにやってみたら」 麻実ちゃんはそう言って先に教室に行ってしまった。 私は一人、これからのことについて考えていた。 送ってくれなくていい、とどう理由をつけて話すか、などなど。 「美和ちゃんだよねー?」 そんな私にに声をかけてきたのは、見知らぬ男の子。 ……誰?