「ぃ…ずみく…」 「その名前が俺だったらいいのに‼」 いきなり声を荒くした和泉君にびっくりした。 「その人は…その名前を何回も泣きながらっ…呼ぶんだ‼とても苦しくそうにっ‼和泉先輩、和泉先輩って‼」 あたしを抱きしめてる腕の力が弱くなって和泉君はその場に泣き崩れた。 「和泉…君…」 あたしは気づけばそう呟いてた。 「俺だったらそんな顔させないのに‼俺だったら泣かせないのに‼俺がその子を一番好きなのに…‼」 そう言って声を出して泣きだした和泉君をあたしはそっと抱きしめた。