あなたを好きにはなりたくないです…


「…ふぇ…ぅっ…せんっ…ぱっ…ぃ」

落ちる涙は止まらない…

ここは学校なのにもう帰らなきゃなのにその場から動けない…

ストラップを握りしめながら呪文のように口からこぼれる言葉。

「ぃっ…ずみっ…せんっ…ぱっ…」

あの人の名前を言うだけでこんなに涙が落ちるとは思わなかった。

しばらくしてやっと落ち着いた。

もう5時過ぎだ…早く帰らなきゃ…

あたしはトイレで顔を洗ってから家に帰った。