クレヨンの『数学魔法』入門

「帰っちゃうの？」
「部員って私たち二人だけでしょう？その………」
「後二人在籍しているよ？」
「え！でも、会った事ないんですけど？」
「そうだっけ？」
　はいと頷いた紫音。
　康太は紫音が始めて入部した日から今日までの事を思い出す。
　確かに他の二人は紫音が入部する前は来ていたが、最近は部活来た事がない。

「まあ二人は授業が終えたら依頼に直行が多いからきっと会った事ないんでしょう」
「依頼？」
「うん。数学魔法の依頼」
「何言っているんです？」
「ハイー？何って数学魔法の依頼だよ。依頼でいないんだよ」
　全く理解出来ない紫音は、頭の上はクエスチョンマーク。
　康太は康太で呆れたような顔を紫音に向けており、何だが二人は何もかもかみ合っていない。

「あの…………数学魔法って単純に言うと数学が好きだからっていう集まりですよね？」