クレヨンの『数学魔法』入門

「すみません。このマンドラ入りカプチーノとゾンビパウダーのシュークリーム下さい。メイプルは?」
「私も…………同じもの。クレヨンはよく…………食べるね」
「え?……………そうかな?」
 ごゆっくり〜〜。
 店員はメニューを引くと、急に何を話していいかわからなくなった紫音。周りを見れば異様な世界なのだが、まだ気付かない。
 すると、一人のお客が二人のもとへ近づき、二人はそのお客の方に目線をやった。

「やあやあお嬢ちゃんたち」
 その近づいて来たお客は、見た目は人間に近かったが、爪は鋭く尻尾は生え、わずかだが牙もある。
 肌の色は黒寄りで、髪はなく坊主。それと独特なニオイだったが、不快なニオイではない。

「何です?」
「お嬢ちゃんはどこから来たの?」
 そのお客は話をしてくれた紫音の方を向き、不気味な笑いで紫音を見た。

「どこって、山岡ハウスさんのとこだけど…………」