クレヨンの『数学魔法』入門

　チャイム音を鳴らし、少し待つと部屋のインターホンから人の声が。

「誰？」
「すみません。数字魔法日本支部から依頼に来ました」
「え！マジ！？ちょっと待ってよ！」
　ガチャっという大きな音が鳴ってわずか10秒ほど、その人物は近くにいたのか、すぐに玄関のドアをオープン。

「マジ来てくれた〜」
　うわーー、ウザそう〜。
　会って早々そう感じた紫音。依頼人はファッション関係の仕事をしている事もあってか、髪は赤く、服はちょっと変わった組み合わせ。
　唯一まともと言えそうなのは、ピアスなどはしておらず、肌も毎日手入れしているような40代前後位の男が玄関に出て来た。
　山岡ハウスさんですよね？
　人を見た目で判断してはいけないと言われてきた紫音だったが、どこかいけ好かないこの男にはそう思ってしまうほど、嫌悪感を抱いていた。

「さあさあ、お嬢ちゃんたち入ってよ」