クレヨンの『数学魔法』入門

「別の依頼があってね。だから今日は二人で行ってもらえる?」
「え!私と美津子が?」
「詳細はメイプルに伝えてあるから、後はよろしく」
 と、理由も告げずに康太は部室を後にし、部室には紫音と美津子。
 え、ちょっとどうするの〜?
 部屋に残された二人。美津子は何やらケータイをいじっており、部室にはケータイ音だけ。

「し………紫音」
「な、何?」
「依頼なんだけど……………」
「美津子行くの?」
「あ、………………メイプルって言って………くれない?私『美津子』…………って名前はあんまり…………」
「あ、そう…………。なら私はクレヨンでいいよ」
「…………うん。それでね……………話戻すけど、今日の依頼はこの人に会いに行くの」
 そう言って美津子のケータイを見ると、ケータイには依頼人の名前や依頼内容。
 また、連絡先に住所などが事細かいに書いてある。