しかし、それ以降話かけられる事もなく、そのことを真っ白に近いスケジュール表には、新たな記録が更新中。


 授業が終わると、紫音は誰とも挨拶することなく、やたら長い階段を上って部室へ直行。
 はぁ〜、相変わらず遠いな〜。
 部室に着く頃には軽く汗をかいたが、そんな事は気にする事もなく中へ入ると、当然部室には康太が。

「お疲れ様です」
「・・・・・」
 康太また黒板に公式を書くのに夢中なのか、紫音の話を聞いている様子はない。
 また〜〜〜。
 そう思いながら康太に近づこうとした際、部室には人がもう一人。

「………お、お疲れ………様です」
「あ、あ、美津子お疲れ様〜」
 部屋にいた美津子を見た途端、紫音はその場に立ち止まり、康太のとこに行くのを中止。

 康太にはあの件について、もう一つ聞いた事があった。それはもちろん、前回の件を引き起こした楓大の事。