「これじゃあ数字魔法を書けない」
 目を閉じて全てを観念した康太。そして、今まで楽しかった事が頭に浮かんだ。

「みんなありがとう……………クレヨン、お前との約束………」
 それ以上は恥ずかしいのか、途中で言うのを止めて、その時が来るのを待った。
 ……………うん?
 それから少し時間は経ったが、炎はいっこうに康太を襲うとせず、康太の周りを囲むばかり。
 すると外から誰かの足跡がこの部屋に戻ってくる音が聞こえた。
 シュガーか?
 しかし、その足跡の正体は紫音で髪は乱れており手には消化器を持っていた。

「ウタちゃん、目をつぶって」
「え?目をつぶ………………あ、ちょっと待っ………………」
 紫音は康太の周りにある炎に向けて消化器を発射。
 しかし、その炎はタイミングを見計らったかのように発射と同時に消え、康太は消化液まみれ。