クレヨンの『数学魔法』入門

 それほど愛してくれる人がいて羨ましいと思った紫音。だが康太の冷めた目を見て、それを言わなかった。

「ちょっと電話して聞いてみる」
 康太はポケットからケータイを取り出し、シュガーという人物に電話。
 ワンコールツウコール…………。
それから少し待つがシュガーという人物は出ない。

「やはり出ないか」
「あの……………」
「うん?」
「何か緊張感なくなるんですけど」
「緊張感?」
「数字魔法を使って勝負みたいな展開を期待していたんですけど」
「クレヨン、ユメミスギちゃんだよ。実際そんなバトルとかする事なんてないよ」
「………………そうなんだ」
「まあ、数字魔法が使えれば色々便利だからね。覚えれば何回も使えるし」
 そうですねー。
 と、またもや歩調を合わせる紫音。が、ガッカリ感が身体に出ていたため、そのガッカリした感じが康太にも伝わっていた。