クレヨンの『数学魔法』入門

 紫音は詰めいるように康太に迫り、康太は両手で紫音を宥めた。

「この事件の真犯人、それはあなたしか考えられないんですよ………クレヨンさん」
「……………ハァ?私が犯人?何言ってるの?」
 もう何なのコイツ〜〜。胸のトキメキを返せ!
 膨れ面の紫音に対し、康太はよほど自信があるのか、表情を崩さずに至って冷静。

「それなら聞かせて。どうして私が犯人なわけ?」
「それは消去法さ」
「消去法?」
「まず今回の事が出来る人物を絞っていくと、容疑者はかなり少ない」
「少ない?」
「オレが目をつけていたのは二人。そして、時間や現場の状況。それに動機を組合せるとクレヨン、君しかいない」
「だから、私は今日数学魔法の存在を知ったんだよ?なのにどうして私なワケ?」
「………………何言ってるの?」
「………………はい?」
「ケーキだよケーキ。食べたでしょう?オレのケーキ。それと紅茶」