クレヨンの『数学魔法』入門

 しかし、どれも上手くいかず、ワラにもすがる思いで数学魔法が使える人を雇用。
 そのおかげで店は一気に繁盛し、店の売り上げは前の売り上げの4倍もアップ。そして、その店のオーナーは数学魔法の力でパフォーマンスを実施。
 店は更に間に評判につぐ評判となり、売り上げはまさにウナギ昇り。


 だがそれが良くなかった。店の評判はぐんぐん上がるが、味は崖から転がり落ちるかのように下がっていき、昔から勤めていた従業員は次々に退職。
 大原がやめる頃には、その店のケーキ泣きたくなるほど美味しくなく、スポンジにただ甘いだけのクリームが塗られた何かになっていた。
 しかし最近、その店の経営は思わしくないのか、何とか売り上げを戻そうと、最優秀賞を取った大原に目をつけ、店に戻って来るよう催促。
 当然大原は断ったが、オーナーは次々と嫌がらせ。しかも、嫌がらせが終わる気配はなく、今日に至っている。