クレヨンの『数学魔法』入門

「え?」
「数学魔法部だよ。小さい頃の約束はいいから、やめないでくれ」
 ・・・・・。
 くるっと向いた康太の手は紫音の肩を掴み、まるでキスをされるようで、紫音の心臓はドキドキ。

「クレヨンがウチに入った時からずっと気付いていたんだ」
「……………ウタちゃん」
「でも、この関係が壊したくなかったから………」
「ウタ………ちゃん」
「本当は一緒に黒板で数学…………ううん、数学以外の事もしたかった!!」
「ウタちゃん!!」
「・・・・・」
「とにかく、ここから出よう?こんな真っ暗なとこで話さないといけない?」
 そうだな。まずは出ようか?
 康太は紫音の肩から手を離し、再度暗いこの道を無言で歩いた。


 しばらくすると、楽しそうな人の声が聞こえ、照明の明かりが辺りを明るく照らした。
 だが、紫音と康太の明るさは戻ってはおらず、その顔はどこか暗い。