クレヨンの『数学魔法』入門

 紫音は虹の種を受け取り、康太はピタゴラスの定理で暗い帰り道を照らすため、数学魔法を発動。
 す、すごい!?
 二人のその阿吽(あうん)の呼吸に鼠は驚きのあまり、開いた口が塞がらない。

「「それじゃあこれで」」
 鼠に挨拶をした紫音と康太は、まるで打ち合わせしたかのように見事にハモった。
 だが、二人は何故かその事に気付いてないのか、気にも止めない。
 なるほど……………、これが地球人の力なのか。これを早速調査して、化学以外の力を得なければ。
 鼠は二人に感銘を受けたのか、テレビで見た柔道の『押忍』と小さい声で見送るのであった。


 二人は外に出るため、先ほどの数学魔法の光を頼りに暗い帰り道を何も言わずに歩く。
 どうしてウタちゃんは、あの時の子供が自分だって言わなかったの?
 前をゆっくりと歩く康太の後ろ姿を見ながら、紫音の心はモヤモヤ。