クレヨンの『数学魔法』入門

 それからまた一定時間が経過。
 紫音が再度目を覚ますと何やら機械音が聞こえ、頭には鼻まで覆ったヘルメット。

「……………大丈夫?」
 その声は……………ウタちゃん?
 ヘルメットを外し、目の前にいた康太が見守るように立っており、顔は緊張している。
 そういえば、クレヨンってあだ名を言われたのはあの時だけだ。何で忘れてたんだろう?
 立ち上がりながら、その事を思い出した紫音は、康太と目を合わせようとするが思わず目を逸らしたまま。

「・・・・・」
「・・・・・」
 二人は何とか話そうとタイミングを計りながら機会を待つが、互いに目を少し合わせるだけで、上手く話し出せない。
 そうこうしている内に、鼠が虹の種を持って二人の前へ。

「お取り込み中すみません。お二方、私そろそろ故郷に帰りますんで。それから虹の種をお返しします」
「は、はい。それじゃあ僕らは帰ります」