クレヨンの『数学魔法』入門

「あの…………道をまちがえて………ここどこ?」
「ここはあじさい公園だよ」
「あじさい公園?なら、あさひ公園は?」
「あっち……………」
「そ、そうか。ありがとな」
「ううん……………」
「オレ、むらかみこうた」
 う、ウタちゃん?
 その小さな少年の康太は今の康太同様、髪は天然パーマ。だが、いつものように眼鏡はかけていない。

「わたし………………、くれしおん」
「そうか。ねえ、なんでまいごでもないのにないてるの?」
「あのね、ひめちゃんに会いたいの」
「ヒメチャン?友だち?」
「うん。でもね、ひっこしていない」
「そうか。じゃあ、オレが友だちになってやるよ」
「ひめちゃんみたいにウタちゃんって呼んでいい?」
「ウタちゃんってオレは男だ!!」
「ダメ……………?」
 小さな紫音は再び涙目。小さな康太はこういうのに慣れていないのか、焦っていた。