クレヨンの『数学魔法』入門

 まあ、話した事はないけれど。
 けれども、紫音を恨めしそうに見る燕の顔は膨れ面。
 しかも、指で何度も紫音の横腹を突いてきた。

「紫音羨ましいぞ〜、あのイケメンと一つ屋根の下とか」
「でも、話した事は…………」
「確か数学魔法部だっけ?今からでも私入ろうかな〜」
「いやね、私はあんまり…………」
「でも、そんな事したら、私すぐの彼氏になっちゃうか〜」
「それはないよね」
「またまた〜、やっぱり紫音も狙っているわけ?私らの友情が壊れちゃうよ〜」
 だからねえよ。
 思わずそう口走りそうになった紫音だったが、燕の乙女モードに入いる隙はない。

「ねえアコウドリ、何で佐藤楓大君がシュガーって言われてるか知ってる?」
「シュガー?そうなの?」
「シュガー&メイプルってこの学校じゃあ有名だよ?」
「わかった!甘いマスクと蜜のように透き通った目をしているから?」