クレヨンの『数学魔法』入門

「すみません。僕ら数学魔法日本支部から来ました村上康太です。こちらは呉紫音」
「本当に来てくれたんだ。ありがとうー」
　その女性は綺麗な黒い髪のポニーテールで、身長は170センチ以上でスレンダー。
　私より大きい。
　紫音は身長の他、自分のある身体のある部分を比較。ルックスにも自信のない紫音は、何とも言えない惨めな感じを味わっていた。

「ええっと………、依頼人のオーナーさん？」
　首を傾げた康太。それもそのはず、依頼人は男性と聞いていたが、間違いなのかと首をひねる。

「ごめんなさい。オーナーはスイーツ作りで忙しいから代わりに私が代理を。松木ですよろしくね」
　松木あさみはこの店の経理やら食材など、この店全般を管理をしており、実質ナンバー2に当たる女性。
　元々この店が流行る前からの常連お客さんで、オーナーの仕事に感銘を受け、パティシェを目指していた事もあった。