クレヨンの『数学魔法』入門

 その後、三人はまだ繋がっている前の異世界に戻らないよう、少し離れた場所に避難。
 それから約3分すると、あっちの世界と繋がっている異空間の穴はみるみる小さくなっていき、やがて消滅した。

「どうやら大丈夫みたいですね」
 康太はその言葉を言った途端、数学魔法以外の理由で身体が怠さを覚えたのであった。


 三人がいる新しい異世界はとにかくは視界が悪い。そのため、プリズマーが近くにいても少し離れただけで影しか確認出来なかった。
 う、ウタ…………ちゃん。
 康太は紫音と離れないようにギュッと抱きしめており、紫音にとっては至福のような時間。
 プリズマーはジャマにならないよう、目線は別のとこへ。

「さて、お前さんたちはこれからどうするつもりだ?いつまでもここってわけには」
「僕とクレヨンは、少しここで休もうと思います」
「休む?いい若いもんがだらしない」