クレヨンの『数学魔法』入門

　そして、康太は先ほど左手でしたようなグルグル回す行為を右手でも始めた。
　それを見ていたプリズマーだったが、先ほどの事で自信があるのか、鼻でそれを笑った。

「すみません、終わりました」
　そう言って立ち上がった紫音の右手には先ほどのマイナスドライバーが握られていた。

「女〜！そんなんじゃあ、私のエレガントな機械は止められんぞ！！」
　その言葉の後、再度プリズマーの高笑い。
　それに対して紫音はニコニコしながら、そのマイナスドライバーをダーツのような投げ方で、シールドにドライバーの先をコツンと当てた。

「アハハハハ。女！そんなもんで私のシールドを………あれ？」
　プリズマーの目に飛び込んできたのは、紫音が投げたドライバー。
　それから、目の前には少しだけ割れたシールドが。

「な、どういう理屈だ！？」
「積分、いや伝説のハケには勝てなかったようですね」