クレヨンの『数学魔法』入門

「あ、あの……………」
「なんだ女?命ごいか?」
「いえ。ちょっとこのマイナスドライバー借りれます?」
 ハァーーーー?
 この状況で意味不明な言動をする紫音に、プリズマーは何も言わずに手を振ってそれを了承。
 何……………する気だ?
 すでに康太にはどうする事も出来ず、ワラにもすがるように紫音のもとへ。

「ありがとうございます。ちょっと待って下さいね」
 と、紫音は後ろを向いて何やらゴソゴソしだした。康太は何事だと言わんばかりにそれを覗きこむが理解出来ない。

「……………クレヨン。状況わかっている………よね?」
「ウタちゃん、風の数学魔法は消してない?」
「え、あ、うん。右手のはまだあるけど………」
「私が合図したらお願いね」
 合図?………………あ!
 康太は紫音がしている事を見ると目が輝き出し、プリズマーがジャマしないように身を艇す。