クレヨンの『数学魔法』入門

 …………うん、わかった。
 康太の差し出したその手を握り、二人の緊張とドキドキはシンクロしたのか、そっくりな行動に。
 二人はその事に気付いてないまま、同時に迷宮の中へと入るのであった。


 中に入る二人。全部か白のためか、右も左もわからないこの場所で、視覚・嗅覚・聴覚が全て狂わせそうになっていた。
 が、二人で繋いだその手の触覚のおかげだろうか?何故か不安も感じずにズンズンと奥の方に。

「ついて来てよかった!何だか楽しい〜」
「楽しい?何が?」
「私ら部活以外では会わないし、何か遊園地に来ているみたい」
「もう………………、でもオレ、女の子とデートしたのは始めてだから」
 え!
 どう答えていいか紫音はわからなかったが、握ったその手を離さないよう強く握り、その思いに答えるかのように康太は握り返す。

「………早く行こう。危ないから、オレの手を離すなよ」