クレヨンの『数学魔法』入門

「つまり、水の中からビー玉を取るイメージだよ。そのビー玉が電気を帯びてたら取れないだろう?」
「なるほどね」
「クレヨンはもっぱら救う網かな?」
 やっぱり私のはマヌケだ。
 さっさと終わらせようと、紫音はその数学魔法で虹の種を救い、康太の持ったバケツにイン。
 もちろん何事もなく終了し、達成感などまるでない。

「さあて、戻ろうか?」
「………………ウタちゃん、私この部活に本当に必要なの?」
「え?」
「私………単に数学が好きなだけだし、今は同じクラスの友達も出来たし…………」
「・・・・・」
「この依頼が終えたらやめようと思うの」
「……………そう」
 何で止めてくれないの?
 紫音はギュッと手を握り、怒りをぶつければよかったのだが、何故かそれは出来なかった。

「とにかく戻ろう。今後どうするかは、すぐに決める必要はないんだし」