クレヨンの『数学魔法』入門

「依頼？」
「この辺にある『ぱっしょんふるーつ大原』ってお店聞いた事ない？」
「あ、あの最近海外の最優秀賞を取った大人気スイーツ店ですよね！！」
「うん、そこのオーナーさんから数学魔法日本支部に依頼があって」
　日本支部？支部って何だろう？
　紫音はまたもや頭にクエスチョンマークを浮かべるが、聞いていいかどうかわからないので、それは聞かなかった。

「どんな依頼です？」
「何か嫌がらせされているから、助けてほしいって依頼なんだ」
「へぇー、なら一人で頑張って下さいね」
　紫音は今すぐこの場から逃亡したかった。
　何故ならあの店はテレビを取材をよく受けているのはもちろん、一般人を始め、有名芸能人、そのほか有名政治家の御用達されるほどの人気店。
　あまり目立つのが好きではない紫音にとって、行きたくても行けない聖域に近い場所であった。