クレヨンの『数学魔法』入門

 敵もいないこの状況では、紫音は何がすごいのかいまいちわかっていない。
 が、康太は始めて見たので軽くテンションが上がっている。

「ところでウタちゃん、私の魔力の量少ないけどどうすんの?」
「大丈夫、クレヨンはそれシャボン玉のように手に集めてこれに入れて」
 そう言って康太が出したのは、鉄で出来たどこにでもある蓋付きのバケツ。
 もちろんそのバケツはこの家で用意してもらったもので、ホームセンターのシール付き。

「何か私の数学魔法ってマヌケだね」
 紫音のテンションは一気に下がり、やる気のないままバリアを手に集めた。
 そして、バリアは風船のようになり、それを池の中へ押し込むようにした。

「ねえウタちゃん、これだと虹の種と池の水が混ざらない?」
「この虹の種は電気を帯びてて、その電気で膜のようなものが出来ているんだ」
「どういう事?よくわかんない?」