クレヨンの『数学魔法』入門

 タクシーを降車し、その目的の場所とされた所は一軒家。
 辺りの住宅と比べても何ら変なとこはなく、どう考えても虹の種らしきものはない。

「本当にここであってるの?」
「いや、間違いないよ。オレが聞いた人の表札もあってるし」
 そう言って指した表札は『仲島』と書かれた何とも普通な名前に紫音は拍子抜け。

「やっぱり帰ろうかな〜」
「そう言うなって。良いことあるって言ったろう?」
「本当に?何かすぐ終わりそうだし、用済んだ…………」
 このやりとりは長くなると判断した康太は、チャイムで紫音との会話を強制終了。
 もうー。話聞け!
 紫音はその康太の行動に腹を立て、帰ろうとした矢先、家の人が玄関から現れた。

「はい…………、どちら様です?」
「すみません。数学魔法日本支部から来た村上と言います」
「あ〜はいはい、早く取ってちょうだい」