クレヨンの『数学魔法』入門

「すみません、マーキュリーエイトキャッスルまで」
 はい。
 タクシーの運転手はそれ以上何も言わずに車を発進。
 ここまで走った二人は軽く息を切らしており、頭が少し回らないみたいで、手を離さず繋いだまま。
 マーキュリーエイトキャッスルって結婚式場だっけ?……………え!もしかしてウタちゃん、私と……………。
 紫音は今まで味わった事のない出来事に、内心ドキドキで苦しい反面、期待からか今だ離してない、その手を握り返した。


 それからタクシーは渋滞に巻き込まれる事もなく、目的地に到着。
 康太はタクシーチケットを渡すとそのまま脇目もふらずにマーキュリーエイトキャッスルに。
 マーキュリーエイトキャッスルとは、シンデレラのガラスの靴をモチーフにしたお城のような建物で、最近大人気の結婚式場。
 人気の秘密は建物全体が鏡張りで、ここで結婚式をあげたカップルは別れないという噂があった。