燕の友人も紫音同様、今日はおごってと、楽しそうに頼んでいた。

「待ってよみんな〜。ウチ前回のテスト、赤しか取ってないからお小遣減らされたんだって」
「全部落としたの?」
「国、英、世界史、……………あと数学」
 数学………、数学魔法。
 燕の何気ない一言。だが、紫音にとっては心に深く残り、心の動揺を隠せていない。

「…………どうした紫音?」
「ううん。今日は部活に行くわ」
「え〜〜!紫音のマニアックカラオケ、聞きたかったのに〜」
「私の美声は高いよ〜」
「指名料は別代金だもんね。ならまた今度遊ぼう〜」
 それじゃあ。と、すでに放課後だったため、紫音は燕たちと別れ、今日は久々の部活に顔を出すのであった。


 久々に行く部室は、何だか遠く、以前の倍はあるのではないかと思うほど遠く感じた。
 しかし、距離など変わるわけもなく、紫音はいつもどおり、部室に到着。