クレヨンの『数学魔法』入門

 紫音は近くにあったイスに身体を全て預けるかのように座り、康太はその光の玉を消した。

「クレヨン大丈夫?」
 だが、疲労感で答える事が出来ない紫音はその場でぐったりし、話す力もない。
 ど、ど、どうしよう。
 康太は何か出来ないかあれこれ考えたが、紫音の周りをウロチョロ。
 それから10分する頃には紫音の疲労感は和らいだのか、何とか歩けるまで体力が回復。

「ハァー、すみません心配をかけて」
「本当に大丈夫?」
「はい…………」
「クレヨンは魔力は少なかったんだね?」
「少ない?」
「うん。魔力が減っていくと身体がだるくなるんだ」
「へぇ…………」
「センスがあるから大丈夫だと思ったんだけどね。ゴメンミスったわ」
「センス?」
「あれ?覚えてない?」
 康太は棚にあったリトマス紙みたいな物を取り出して、それを見せるとあっという顔に。