三週間が経過し、余裕で記録更新。
 今日もクラスの誰からも声どころか挨拶さえされなかった。それにすでに慣れた紫音は黙々と教科書をカバンの中へ。
 そして、誰とも話そうとしないというより話せないので、仕方なく廊下へ。

「・・・・・」
 中学時代の紫音は、とにかく恰好は地味で大人しい性格。
 そのため、そんな自分の性格を変えようと、高校入学前にメガネからコンタクトに変え、髪も明るい色とチェンジ。
 そして、中学校時代は一切読まなかったファッション雑誌などを読んで予習をし、意気揚々と新しい高校へ。
 ……………のはずだったのだが、自分より輝いているクラスメイトに完全に呑まれてしまい、高校デビューはあっさり失敗。

 それから何度も話をかけようとしたが、間が悪いのか、運が悪いのか、もともと暗い性格が相俟って、結局何も出来ない自分がここにいた。