私はエプロンの下の膨らみをそっと撫でた。

ここに大好きな人の赤ちゃんがいる……。

私ってば、こんなに幸せでいいのかなぁ。

仕事も忘れ、ほわん、と新婚気分にひたった。

「理沙ちゃーん。カトラリー、用意してー」

和田さんの声にハッとして、自分の仕事を思い出した。

「はーい!」

銀製品が仕舞ってある棚の方へ行こうとして、何かにつまづいた。

「あっ!」

危うく転倒しそうになった。

怖かったぁ。

私は冷や汗をかきながら、足元を見た。