緊張している私の気持ちをほぐすように、美人の店長さんが優しく話し掛けて来てくれた。 

「これからお出掛けですかぁ?」

「あ、いえ。しゅ、主人のお友達がウチに来るんです」

タケルのことを『主人』と呼ぶのが、ちょっぴり嬉しく、ちょっぴり気恥ずかしい。

「そうなんですかぁ。じゃあ、綺麗にしなきゃね」

店長さんがとても楽しそうに微笑んでくれる。

なんだか嬉しくなった。

「どんなカンジにします?」

「あ……。えっと……。お、おまかせします」

今まで『そろえる程度で』としか言ったことがなかった。

けど、素敵な店長さんを見ていて、ちょっと冒険してみたい気分になった。