あたしは反射的に可奈子の足を蹴飛ばしていた。

「いったーい。関谷先輩、なにするんですかぁ」

可奈子が甘い声を上げ、唇を尖らせてあたしを睨む。

「ごめんなさい。足が勝手に」

謝るあたしの顔を赤木の目がじっと見ていた。

―――藤山の手の者だってこと、気づかれちゃったかも……。

なんであたしまで目をつけられなきゃならないのか、意味がわからない。