―――仕方ない。藤山には逆らえないし。

気を取り直し、可奈子の先に立ってキビキビ歩いた。

「必要事項、ピックアップした?」

「はい。こちらに」

差し出された書類を一瞥。

「頭に入ってんの?」

「たぶん……」

怪しい返事。

自分が赤木パーサーに狙われているという自覚がない。

こんな愚鈍な女のフォローをしなければならないなんて。

ゴルゴ13に狙われてることに気づかず走り回る小学生を警護しなければならないSPみたいなものだ。